猩々(しょうじょう)

 

あらすじ

 

中国の揚子の里に住む高風という親孝行者が、ある夜不思議な夢を見ます。それは「揚子の市で酒を売ると富貴になる」というもので、高風がそのお告げのとおりにしてみると、いつしか大いに富をなしました。

ところがその市へ出て酒を売るたびに、たくさんの酒を買って飲んでは平気な者がいるので、不思議に思った高風が名前を尋ねると、海中に棲む猩々であると明かして立ち去ります。

そこである日、高風は潯陽の江のほとりへ行き、酒を用意して猩々が現れるのを待っていると、やがて猩々が水の中から現れ、「老いせぬや、薬を名をも菊の水」として、高風の振舞う酒を飲んでは舞を舞い、高風の親孝行を誉めるとともに、万代まで「酌めども尽きず、飲めども変わらぬ」酒壷を与えるのでした。

 

 

配役

 

ワキ/高風 シテ/猩々 囃子 地謡