あらすじ
木曽の山家の僧が、木曾義仲の跡を弔おうと思って旅立ち、矢橋の浦まで来ると、一人の老人が柴舟で行き過ぎようとするので、頼んで乗せてもらいます。湖上から名所々々を尋ねているうちに舟は何時しか粟津が原に着きます。
日も暮れ、僧は露深い粟津が原で義仲の霊を弔いつつ野宿します。
突然、鬨の声が響き渡り、甲冑姿の武者一人現れ、「私は今井四郎兼平であって、義仲の配下で義仲と共に粟津が原で果てた武将である。先の舟人も実は私であるが、今度は私を御法の舟に乗せて、彼岸へ渡してください。」と僧に頼むと、更に義仲や自分の壮絶な最期の様子を物語るのでした。
配役
後シテ/今井兼平 囃子 地謡